ウクライナ
国旗のデザインの意味と由来
青はウクライナの大地を覆う澄んだ青空を、黄色はその大地に育つ麦畑をあらわします。ウクライナのほぼ全土が肥沃な国土地帯で、世界有数の農業国であることを象徴している二色旗。
青と黄色の配色は、15世紀前半のガリシア公国の紋章に由来するといわれ、19世紀半ばからのロシアからの民族解放運動の中、1848年にウクライナ民族の旗として定められたのが始まりです。20世紀中、ウクライナ人民共和国、西ウクライナ人民共和国・ウクライナ国などの国旗として用いられ、さらに反ソ・反共の組織であるウクライナ蜂起軍の軍旗、且つウクライナ系知識人のシンボルでもありました。1991年、ソ連崩壊後の独立に伴い復活しました。
ウクライナの国章
黄色い縁取りがある青い盾型紋章。中に描かれているのは三叉鉾(さんさぼう。トライデントとも呼ばれ、剣の部分が三つ叉に分かれた長い柄をもつ武器)。ギリシャ神話に登場する海神ポセイドンの武器で、権力のシンボルとして歴代のウクライナ王朝で使われてきました。
国旗では、他にもバルバドスの国旗🇧🇧にトライデントのモチーフが描かれています。
ウクライナの国名について
ウクライナ語の「u(地名接頭語)」と「krai(辺境)」と「na(地名接尾語)」を併せ、「辺境の地(国境地帯)」を意味する。
ウクライナの歴史(略史)
ウクライナ地方は、16世紀以来ヨーロッパの穀倉地帯として知られています。
18世紀後半にはロシア帝国の支配下に入り、1919年にいったん独立したものの、1922年にはソ連の構成国のひとつとなります。
第二次世界大戦では独ソ両軍の激しい戦いの場となり、戦後は白ロシア(現ベラルーシ共和国)とともに、新設された国連の原加盟国となりましたが、実際はソ連が3議席を持っていました。
その後、1991年のソ連崩壊を機に、完全な独立国となりました。
- 4世紀頃から東スラブ人が移住。
- 9世紀、ノルマン人が南下しキエフ公国を建国した。
- 989年、ギリシャ正教を国教とする。
- 13世紀にモンゴル人が侵入。
- 16世紀にはポーランド領となる。
- 18世紀後半にロシアに併合され、1922年にソビエト連邦を構成する共和国のひとつとなる。
- 1986年、チェルノブイリ原子力発電所で事故が起こり、周辺の地域や国に大きな被害をもたらした。
- 1991年、ソ連の解体にともない独立を宣言。国名をウクライナとあらためる。
- 2014年、クリミア半島のロシア編入や、東部で親ロシア派の武装勢力の放棄など、親欧米化と親ロシア派の対立が続いている。
- 2021年3月からロシアとの間で緊張が高まり、2022年2月24日、ロシアのウクライナ侵攻が開始される。
ウクライナの場所と国データ
正式名称 | ウクライナ |
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英語表記 | Ukraine |
漢字表記 | 烏克蘭 |
首都 | キエフ |
略号 | UKR |
面積 | 60万3700㎢(日本の約1.6倍) |
人口 | 4,159万人(クリミアを除く)(2021年:ウクライナ国家統計局) |
通貨 | フリヴニャ |
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言語 | ウクライナ語、ロシア語など |
民族 | ウクライナ人、ロシア人、ベラルーシ人、モルドバ人、クリミア・タタールなど |
宗教 | キリスト教(ウクライナ正教、東方カトリック、ローマカトリック)、イスラム教、ユダヤ教など |
独立年 | 1991年にソ連邦から独立 |
国旗の比率 | 2:3 |
在留邦人数 | 223人 |