スペイン

国旗のデザインの意味と由来

スペインの国旗はロヒグワルダ（血と金の旗）の愛称で呼ばれています。

黄色は豊かな国土。赤は敵を撃退したときに流れた血をあらわします。歴史の中で、スペインは長い間イスラム勢力と、隣の国フランスの脅威にさらされてきました。国旗にも、国土（黄）を民族の血（赤）で守るという決意が込められています。

ちなみにこの黄色は、ヨーロッパで伝統的に染色に使われている、ホザキモクセイソウの黄色（ウェルド・イエロー）と決められています。

旗竿寄りに配されているのはスペインの国章。詳しく見てみましょう。

スペインの国章

国章は、スペインの５つの古い王国の紋章を合わせたもの。城はカスティーリャ王国、獅子はレオン王国、赤と黄色のストライプはアラゴン王国、鎖はナバラ王国、ザクロはグラナダ王国。

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また、国旗の配色比率ですが、スペイン国旗🇪🇸の黄色の高さは、赤の高さの２倍となっています。このように全体が横縞の１：２：１になっている旗は「スパニッシュ・フェス」と呼ばれます。他にこの１対２対１の横縞が使われている国旗には、カンボジア🇰🇭、ラオス🇱🇦、レバノン🇱🇧、リビア🇱🇾、タジキスタン🇹🇯など。

※スペインでは、民用旗として国章のない国旗が使われることもあります。

スペインの国名について

スペインは英語の地名で、正式にはエスパーニャといって、ローマ時代の地名ヒスパニアに由来する。ヒスパニアの語源は、古代カルタゴ人が海岸地方に植民地を作り「セファン（ウサギの国）」と呼んだという説と、古ラテン語の「ヒスペリア（西方の国）」を意味するという説がある。
正式国名は定められておらず、日本語で表記されるときは、スペイン、スペイン王国、スペイン国などが使われています。

スペインの国旗の歴史

スペインのあるイベリア半島は、長くにわたりイスラム勢力が支配していました。中世には、キリスト教徒がイスラム勢力からイベリア半島を取り戻そうというレコンキスタ（国土回復運動）が続きました。この戦いの中から頭角をあらわしたのが、カスティーリャ王国とアラゴン王国です。

１５世紀、カスティーリャ王国王女のイザベルとアラゴン王国王子のフェルナンドが結婚し、両国の合併によりスペイン王国が成立。1492年にはグラナダを占領し、イスラム勢力を国土から追い出すことに成功しました。キリスト教国としての統一を成し遂げたスペインは、ヨーロッパ西端という地の利を生かし、大西洋航路を開いて大航海時代の先陣を切ることになりました。

１６世紀には「太陽の沈まない国」としてスペイン黄金時代を迎えますが、１６世紀後半、イギリスのエリザベス１世によって無敵艦隊が破れ、衰退がはじまります。１９世紀からは共和制への移行と王政復古を繰り返しましたが、スペイン1978年憲法によって民主化され、現在は制限君主制国家となっています。

現在の国旗の原型は、１８世紀の王カルロス３世が命じて作った旗。当時、船舶旗では白を基調にしたデザインが多かったので、海戦のときに識別しやすい旗がいいということで、この赤と黄色のデザインになりました。コンテストで多くの提案が出され、その中の１２のデザインからカルロス３世が選んだものです。

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スペイン王国の国旗（1785-1931）

その後、共和制時代の旗には赤・黄・紫の横三色旗が使われていました。

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スペイン共和国の国旗（1931 - 1939）

また、1939年から1975年までスペインの事実上の元首として君臨したフランシスコ・フランコ独裁時代の紋章には大きな鷲（ワシ）が描かれていました。

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スペイン国の国旗（1939-1945）

そして1981年の王政復古後、国章から鷲が取り除かれて現在の国旗になりました。

また、スペインのカタルーニャ州とバスク自治州は強い独立志向を持つ州です。カタルーニャでは2017年、スペインからの独立についての住民投票が行われ、投票した人のうち90%が独立を支持しています。

スペインの場所と国データ

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