アイスランド
国旗のデザインの意味と由来
白い輪郭線を入れた赤いスカンジナビアクロスを配した青旗。
青は古くからのアイスランドの伝統色で、島国であるアイスランドの国を囲む大西洋の海をあらわし、赤は火山を、白は氷河と雪をあらわします。スカンジナビアクロスは、スウェーデン🇸🇪、デンマーク🇩🇰、ノルウェー🇳🇴、フィンランド🇫🇮といった北欧諸国に共通するモチーフで、キリスト教信仰の象徴です。宗教や民族の共通性から、北欧諸国とよく似た十字形の旗となりました。
この旗はもともと、1915年にデンマーク領アイスランドの旗として制定され、1918年に成立したアイスランド王国でも引き続き使用され、1944年のアイスランド共和国樹立に伴い、正式に国旗として制定されました。ちなみに青と赤の配色を逆にするとノルウェーの国旗🇳🇴となります。
アイスランドの国章
国章にも国旗のデザインが使われています。
白いバホイホイ溶岩の台の上に立つのは、赤い杖を持った南東部の守護神である巨人、南西部の守護神の雄牛、縦の上には北東部の守護神ドラゴン、北西部の守護神の大鳥。
この4体の守護神達は「ランドヴェーッティル」と呼ばれ、13世紀にアイスランドで書かれた『ヘイムスクリングラ』にある伝承に基づいています。その伝承とは、デンマーク国王ハラルド・ゴルムスソンがアイスランドを征服するために魔法使いをアイスランドに派遣したところ、アイスランドの各方角にこの強力な4体のランドヴェーッティルが存在していて魔法使いを撃退したため、征服を諦めざるを得なかったというもの。この4体は、アイスランドの貨幣、アイスランド・クローナの片面にも描かれています。王国時代の国章には盾の上に王冠がありましたが、共和国になったことにより取り除かれました。
アイスランドの国名について
ノルウェー語の「イス(氷)」と「ラント(国)」を合わせた「イスラント」を英語読みしたもの。スカンジナビア語で「氷の島」をあらわす。ちなみに、アイスランドはその名前に反して世界有数の火山国。しばしば噴火や溶岩の流出があります。
アイスランドの擬人化「レディ・オブ・マウンテン(山の女)」
アイルランドを象徴する女性「レディ・オブ・マウンテン(山の女)」は、19世紀からアイスランドの詩によって有名なシンボルになりました。
彼女の頭には氷の冠があり、そこから火が噴き出しています。彼女の肩には、北欧神話の主神にして戦争と死の神オーディン(詩文の神でもあり、また吟遊詩人のパトロンでもあり、魔術に長け、知識に対し非常に貪欲)の古代の友人であるカラスが止まっています。
今でも、レディ・オブ・マウンテンはアイスランド人にとって重要な存在。毎年6月17日の独立記念日には、「山の女」として選ばれた女性がアイスランドの民族衣装を着て 、アイスランド議会の前で詩を読みます。このイベントはアイスランド共和国が設立されて以来、ほぼ毎年開催されているそうです。
アイスランドの歴史(略史)
アイスランドは、13世紀にノルウェー領となり、14世紀にはデンマークのカルマル同盟の支配下に入りました。
1864年のシュレスウィッヒ・ホルスタイン戦争で、支配国デンマークがプロイセン王国(現在のドイツ)との戦いに敗れた直後に自治権を獲得しましたが、1918年の第一次世界大戦の混乱期には再びデンマークの傘下に。その後の1944年、デンマークがナチス・ドイツに支配されていた時期に共和国として独立を果たしました。
- 9世紀、ノルマン人やケルト人が渡ってきて植民を始める。アルシンギという世界最古の民主議会が開かれた。
- 13世紀にノルウェー領となり、14世紀にはデンマークのカルマル連合の支配下に入る。
- 1918年、デンマーク国王を元首とする連合国をつくる。
- 第二次世界大戦中はイギリス軍とアメリカ軍が進駐する。
- 1944年、アイスランド共和国として独立。
- 1980年、直接選挙で世界初の女性大統領にフィンボガドティルが選ばれた。
- 2009年の世界金融危機で経済が破綻するが、回復に向かっている。生活レベルが高く社会福祉が充実している。
アイスランドの場所と国データ
正式名称 | アイスランド共和国 |
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英語表記 | Republic of Iceland |
漢字表記 | 氷島、愛撒倫 |
首都 | レイキャビク |
略号 | ISL |
面積 | 10万3000㎢(北海道よりやや大きい) |
人口 | 38万7,758人(アイスランド統計局2023年1月) |
通貨 | アイスランド・クローネ |
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言語 | アイスランド語 |
民族 | アイスランド人 |
宗教 | キリスト教(ルター派)など |
独立年 | 1918年にデンマークから独立 |
国旗の比率 | 18:25 |
在留邦人数 | 125人 |