フィンランド
国旗のデザインの由来と意味
北欧諸国に共通する十字旗、スカンジナビアクロスのデザイン。青はフィンランドの空と湖沼(こしょう)を、白は雪をあらわします。(フィンランドには、湖畔が200m以上のものだけでも約6万もの湖があります)
この旗は、フィンランドでは「シニリスティリップ(青十字旗)」の愛称で呼ばれています。国民詩人と慕われたザカリアス・トペリウスが独立の約50年前(1863年)に出した詩集『フィンランドの旗』の中で、「白と青はフィンランドの色。白は冬の雪を、青は湖の青を象徴する」とうたったことにもとづきます。
政府が使う公用旗では、十字の中心に金色のランパント形ライオン(立っている獅子)の紋章をつけたデザインの旗を使います。
フィンランドの国章
赤い盾型紋章。冠をかぶり鎧をつけた腕でまっすぐな剣を振りあげ、隣の国ロシアの曲がった剣を踏みつける黄色いライオン。9つの白いバラは、フィンランドの9つの地方をあらわしています。
フィンランドの国名について
フィンランド語では自国のことを「Suomi(湖沼の国)」といい、その英語訳がフィンランド。「fen(湖沼)」と「land(国)」。
フィンランドの国旗の歴史
フィンランドは、国土の3分の1が北極圏に属している「森と湖の国」。この地域には、紀元前500年頃、ウラル山脈の近くからフィン人が移住してきたといわれています。13世紀にはスウェーデン領となり、キリスト教が広まりました。そして19世紀の初め、スウェーデンとロシアの戦争の結果、フィンランド大公国が成立、ロシアの従属国となります。
しかし、1917年、ロシアでは2度の革命が起き、ソビエト社会主義共和国連邦が樹立。その混乱に乗じて、フィンランドはフィンランド王国として独立することになります。
こちらは独立後に制定された国旗。現在の国章にも使われている、ロシアの剣を踏みつけているライオンが描かれています。
独立翌年の1918年、フィンランドは共和制へと移行し、フィンランド共和国へと国名をあらためることになりました。このとき新たに制定したのが次の国旗です。今の国旗🇫🇮とほぼ同じですが、青の色が少し違っていました。
フィンランドは独立してからも、内戦に直面したり、スウェーデンとロシアの圧迫を受け続けました。しかし、救国の英雄マンネルへイムの指揮の下、ヨーロッパの多くの戦争に翻弄されながらも独立を維持し、犠牲を払いながらも現在に至りました。
フィンランドの擬人化「フィンランドの乙女」
フィンランドを象徴する女性「スオミ・ネイト(フィンランドの乙女)」は、19世紀から詩や美術に描かれてきました。
裸足の女性で、ブロンドの髪を編んでいたり、青い目をしていたり、青と白の民族衣装や白いドレスを着ています。絵葉書に描かれたこの絵(作者不明)では、当時のフィンランドの国土を表したポーズをとっています。
フィンランドの場所と国データ
正式名称 | フィンランド共和国 |
---|---|
英語表記 | Republic of Finland |
漢字表記 | 芬蘭(略記:芬) |
首都 | ヘルシンキ |
略号 | FIN |
面積 | 33万8000㎢(日本よりやや小さい) |
人口 | 551万人 |
通貨 | ユーロ |
---|---|
言語 | フィンランド語、スウェーデン語 |
民族 | フィン人 |
宗教 | キリスト教(ルター派、フィンランド正教会) |
独立年 | 1917年にロシアから独立 |
国旗の比率 | 11:18 |
在留邦人数 | 2005人 |