チェコ
国旗のデザインの由来と意味
赤は独立闘争で流された血を、白は純粋さを、青は大空をあらわします。
白・青・赤は、一般に、東ヨーロッパのスラブ人共通の起源をあらわす汎スラブ色として知られていますが、チェコの場合は偶然の産物だと解説されています。
赤・白は、11世紀から使われているボヘミアの紋章(赤地に銀のライオンを描いたデザイン)に由来していて、青はモラビア(チェコの東の地方)とスロバキアの伝統的な国民色です。※紋章学では、銀色は白で代行されます。
1993年、チェコとスロバキアは円満に分離し、それぞれ単独国家として再出発しました。この国旗は、旧チェコスロバキアの国旗だったものですが、チェコが継承してそのまま使用しています。
もともと、チェコスロバキアの独立当初(1918年)の旗は、赤・白の横二分割旗でした。
ちょうどポーランドの国旗🇵🇱と同じデザインだったため、1920年、チェコの有名な詩人で政治家でもあった、ヴィクトル・ディクの提案によって青い三角形が加えられ、今のデザインになりました🇨🇿。青い三角形の頂点は、スロバキア地方の東にあるカルバチア山脈を象徴しています。
チェコの国章
チェコの国章は、国内の3つの地域のシンボルを集めた盾型紋章。国旗の赤・白の由来であるボヘミアの紋章や、モラビアの紋章も入っています。
左上と右下にあるのが、ボヘミアをあらわす、赤地に冠をかぶったライオンの紋章。右上が、モラビアをあらわす、青地に赤白の市松模様のワシの紋章。左下の、黄色地に黒ワシの紋章は、シレジア(現在のポーランド南西部からチェコの北東部)をあらわしています。
チェコの国名について
スラブ系民族チェコ人の名に由来し、ボヘミア地方に住み着いた「最初の人」という意味。
チェコの歴史(略史)
- 5〜6世紀頃、スロバキア系の諸族が住みはじめた。
- 9世紀、チェコ人とスロバキア人を統合した大モラビア王国がおこるが、10世紀初めにマジャール人が攻め入り、スロバキアはハンガリーの支配下に入り、チェコにはボヘミア王国がおこった。
- 1526年、ハプスブルク家のフェルディナントがボヘミア王につき、以後はハプスブルク家が支配する。
- 第一次世界大戦後の1918年、スロバキアと合体して独立。1939年にドイツに併合されたが、第二次世界大戦後の1948年、共産党政権が成立。
- 1968年に民主化がはじまると(プラハの春)、ソ連の武力介入により民主化運動はおさえられた。
- 1989年、ふたたび民主化運動が高まり、共産党の独裁体制が倒された(ビロード革命)。
- 1993年、スロバキアと分かれる。
- 2004年、EU(ヨーロッパ連合)に加盟する。
チェコの国データ
正式名称 | チェコ共和国 |
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英語表記 | Czech Republic |
漢字表記 | 捷克(略記:捷) |
首都 | プラハ |
略号 | CZE |
面積 | 7万8866㎢(日本の約5分の1) |
人口 | 1064万人 |
通貨 | チェコ・コルナ |
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言語 | チェコ語 |
民族 | チェコ人、ウクライナ人、スロバキア人など |
宗教 | キリスト教(ローマカトリック、ルター派)など |
独立年 | 1993年にチェコスロバキアが解体、独立 |
国旗の比率 | 1:2 |
在留邦人数 | 2019人 |