エスワティニ
国旗のデザインの由来
エスワティニは、今では世界唯一とされる絶対王政国家です。
2018年、イギリスからの独立50周年を記念して祝典が開かれた際、国王ムスワティ3世は、独断で国名を変えることを宣言しました。それまでは「スワジランド王国」という国名でしたが、現在の「エスワティニ王国」に変わりました。
国旗は変更せず、1968年にスワジランド王国として独立したときに制定された旗を今も使用しています。
青は澄み切った空と平和、黄色は富と豊かな地下資源、赤は過去の度重なる戦をあらわし、楯の黒と白(牛皮)は、黒人と白人の平和的共存を示しています。
中央の紋章は国章ではなく、描かれているのは、スワジ人戦士の楯と槍、天人鳥(てんにんちょう)の羽根の付いた国王の笏(しゃく)※君主が持つ象徴的かつ装飾的な杖。楯と槍は主権を侵害するものに対して戦う強い意志をあらわし、天人鳥の羽根付きの笏は王の権威を象徴しています。
この旗は、第二次世界大戦のとき、ドイツ軍との戦いで活躍したスワジ軍部隊の連隊旗に由来し、大きく描かれた民族色豊かな槍と盾はスワジランド近衛連隊の紋章に由来しています。
エスワティニの国名について
「エスワティニ」は、スワジ語で「スワジ人の場所」の意味。国名変更前の「スワジランド」は、現地の言葉「スワジ」と英語の「ランド」が混在していた。これが不自然だというのが国名変更の理由。
エスワティニの歴史
- 古くはサン人(ブッシュマン)が居住。
- 19世紀の初め、ボーア人に追われたスワジ人がこの地に移住し、スワジ王国を建国。
- 19世紀末にイギリスが進出し、1902年にイギリス高等弁務官領として間接統治する。
- 第二次世界大戦後の1968年、イギリス連邦内のスワジランド王国として独立。国王のソブーザ2世は1973年に憲法を停止して議会を解散、政党活動を禁じるなどの独裁政治をすすめる。
- 1993年、20年ぶりに総選挙がおこなわれたが、政党活動は禁止されたままで、1995年から労働組合によるゼネストが行われた。
- 2007年に新憲法が出されたが、政党活動は認められず、民主化が課題となっている。また、15〜49歳のエイズウィルスの感染率が28%(2014年)と、世界でもっとも高いとされている。
エスワティニの国データ
正式名称 | エスワティニ王国(旧国名:スワジランド王国) |
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英語表記 | Kingdom of Eswatini |
漢字表記 | 斯威士蘭 |
首都 | ムババーネ |
略号 | SWZ |
面積 | 1万7000㎢(四国よりやや小さい) |
人口 | 113万人 |
通貨 | リランゲーニ |
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言語 | 英語、スワティ語 |
民族 | スワジ族、ズールー族、トンガ族、シャンガーン族 |
宗教 | 伝統宗教、キリスト教 |
独立年 | 1968年にイギリスから独立 |
国旗の比率 | 2:3 |
在留邦人数 | 14人 |