ジブチ
国旗のデザインの由来と意味
青はソマリア国旗のライトブルー。ソマリア系のイッサ族、海と空をあらわします。
緑は繁栄をあらわし、同時に多数派のイスラムの伝統色である緑を使い、エチオピア系のアファル族をあらわしています。
白の三角形は、両部族の平等と共存・平和を、赤で描かれた星は、国民の統合をあらわします。
イッサ族というのは、ジブチの全人口の約48%を占める民族で、一方のアファル族は約38%を占める民族です。どちらもスンニ派のムスリム(イスラム教徒)で、見た目はほとんど変わりませんが、それぞれ全く異なる言葉を話し独自の文化を持っています。
独立前からこの2つの民族の対立があり、両民族の融和への願いが込められたデザインになっています。
この国旗は、独立闘争で中心的な役割を果たした「アフリカ人民連盟」の党旗に由来しています。1977年にフランスから独立するときに制定されました。
ジブチの国名について
イッサ語で「ダウ船の停泊地」を意味する「ジ・エ・ブート(dji et bout)」という言葉が、のちにアラビア語になったもの。ダウ船とは、アラビア人がインド洋の航海で使用した帆船のこと。
ジブチの歴史
19世紀後半のアフリカ分割の時代、イギリスは、紅海を挟み、ジブチの対岸にある都市アデン(イエメン)を、戦略上の重要拠点としていました。このイギリスに対抗しようと、フランスによって開かれた植民地がこの地域で「フランス領ソマリランド」となりました。
第二次世界大戦後にはアフリカ諸国の独立が進みましたが、フランス領ソマリランドではソマリ系のイッサ族とエチオピア系のアファル族との対立があったため、独立問題は進まず、フランスの海外県にとどまっていました。1967年には国名を「フランス領アファル・イッサ」と改称。その後、1977年に独立を果たしました。
気温は摂氏50℃に達することもあり、世界で一番暑い国のひとつとして知られています。
- 古くから紅海とインド洋を結ぶ交易の中継地として栄えた。
- 19世紀後半にスエズ運河の建設が始まると、1862年にフランスはこの地に勢力を広げ、1896年にフランス領ソマリ海岸として植民地にする。
- 20世紀初め、港町のジブチとエチオピアのアディスアベバを結ぶ鉄道を建設。エチオピアの外港となる。
- 第二次世界大戦後の1967年、住民投票の結果でフランス領にとどまることが決まり、フランス領アファル・イッサと改名した。
- 1977年、ジブチ共和国として独立。ソマリア系のイッサ人のブレドが大統領になった。
- 1991年にエチオピア系のアファル人が武装蜂起し、内戦に突入。
- 1992年、複数政党制を盛り込んだ憲法を定めて、1994年に和平協定に調印した。
- 2000年代にはとなりの国エリトリアと国境紛争が起こっている。
ジブチの国データ
正式名称 | ジブチ共和国 |
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英語表記 | Republic of Djibouti |
漢字表記 | 吉武地 |
首都 | ジブチ |
略号 | DJI |
面積 | 2万3200㎢(日本の約1.3倍) |
人口 | 95万9000人 |
通貨 | ジブチ・フラン |
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言語 | アラビア語、フランス語 |
民族 | ソマリ系イッサ族、エチオピア系アファール族 |
宗教 | イスラム教 |
独立年 | 1977年にフランスから独立 |
国旗の比率 | 2:3 |
在留邦人数 | 41人 |